「時光代理人」を豊永利行らがネタバレ回避してPR「人の心に訴えかけてくる」

左から豊永利行、櫻井孝宏、古賀葵。

TVアニメ「時光代理人 -LINK CLICK-」の先行上映会とトークイベントが、本日1月8日に東京のユナイテッド・シネマアクアシティお台場で開催された。コミックナタリーでは15時50分からの回の模様をレポートする。

中国で制作され、2021年4月からbilibili動画にて配信された「時光代理人 -LINK CLICK-」は、繁華街の一角に佇む“時光写真館”を舞台にしたSFサスペンス。「撮影者の意識にリンクし、対象の写真が撮影された当時の世界に入ることができる能力」を持つトキ(程小時)と、「その写真の撮影後12時間の出来事を把握できる能力」を持つヒカル(陸光)のコンビが、トキの幼なじみ・リン(喬苓)を通じて顧客から舞い込む依頼を解決していく。

本日のイベントでは第1、2話が上映され、トークイベントにはトキ(程小時)役の豊永利行、ヒカル(陸光)役の櫻井孝宏、リン(喬苓)役の古賀葵が参加。アニメの上映前にトークイベントが行われたことから、司会者は「ネタバレに気をつけながらもワクワクする内容を」と登壇者に依頼する。同作がさまざまな設定などが複雑に絡み合うSFサスペンスであることもあり、豊永は「じゃあ話すことはないです」と笑いながら、「櫻井さんとも『こういうときってどうすればいいのか』ってさっき話していたんですが、ストーリーを大枠で説明するか、(実際に劇中では)起きていないことをいうしかないんじゃないかと」とこぼし、櫻井も「嘘をつくしかない(笑)」と続けた。

そんな中でも豊永は「SFなんだけどリアリズムがあって、人の心に訴えかけてくる作品です。リアリティとファンタジーの融合感が面白なと思いました」と説明。櫻井も「作品が面白くて、何より自分が楽しんでしまっているところがあります。作品の仕掛けは多いんですが、豊永くんが言っていたようにヒューマンドラマで、特殊な能力だけに目が向かないようなバランスで作られているのがクールで面白いなと思いました。深夜帯にやっているドラマのような緊張感があるし、コメディ要素もあるしでバラエティ豊かな作品です」と続ける。古賀は「自分の過去と比較したり、もし私だったらどうするだろうなと、自分に置き換えて考えてしまうストーリーがたくさんある。そういった意味でもドラマっぽいというか人間味があります」と述べ、それぞれがネタバレを回避しながら作品をアピールした。

今回中国語版を日本語に吹き替えて放送される「時光代理人 -LINK CLICK-」。豊永は普段のアニメ作品と吹き替えアニメの違いについて、「翻訳家さんに原文を訳していただいているんですが、(セリフについてアフレコで)提案するときに『この言い回しに変えると、原文と意味変わっちゃいますか?』みたいなことを聞きながら進めていたのがこのアニメならではでした。訳してもらったセリフがアニメーションの口パクに合わないときには、(現場で)セリフを長くしたりもして」と解説。櫻井は「仕事的には洋画の吹き替えのような作業」としながら、「(中国語版の音声の)ニュアンスは拾って、アフレコのヒントにしながら表現したいなと思いながらやっていましたが、言葉が変わると観ている方の印象も変わるので、そのあたりをどうアプローチしようかとスタッフさんたちとやり取りをしていました」と回想。古賀は「(中国語版だと)音声が一度ここで切れるけど、日本語で同じように切ると意味的におかしくなってしまう部分があったりして。そういう部分を調整したりもしました」と吹き替え時の苦労を明かした。

その後会場はそれぞれが演じるキャラクターの魅力についての話題に。トキを「ノリが軽めで人情味にあふれている」と評する豊永は、「トキくんは感情で動いちゃうタイプの子で、写真の中に入った後の行動理念っていうのが、写真の世界で(トキの)精神を乗り移す母体となる人の感情に動かされる。視聴者の方はそんなトキくんに感情移入して観ることができるんじゃないか」と分析。そんなトキを写真の世界で指揮することになるヒカル。櫻井はヒカルについて「淡々としていて、あまり気持ちが波立たない。活発ですごく能動的なトキというキャラクターとの対比、2人の関係性にも注目してもらえたら」と呼びかける。2人の姉的な存在でもあるリンについて、古賀は「親しみやすいお姉さん。トキさんは手のかかる弟で、ヒカルはかわいがっている弟のような感じ」と述べると、豊永、櫻井が「(年齢的にも)一番お姉さんだもんね」「実際そうですもんね」とコメント。古賀が「実際そうだもんね」という発言を、キャスト陣の年齢の話だと勘違いしてしまい一瞬硬直すると、豊永から「キャラクターの話です。櫻井さんより古賀さんのほうが年上なわけないじゃないですか(笑)」とツッコミが飛んだ。

最後に写真が撮影された当時の世界に入り込めるという作品内容にちなみ、「やり直したい過去、戻りたい過去はあるか」という質問がキャスト陣に向けられる。古賀は「後悔の連続で……」とつぶやき、「人見知りもあったりして、人前に出ると『うわー』ってなっちゃうんです。後々、『なんであのときあんなこと言っちゃったんだろう』みたいに思い返したりして。トキくんとかヒカルくんがいたら、一個一個全部直してもらいたいです(笑)」とはにかむ。櫻井は古賀の発言に「わかる、余計なこと言っちゃうんだよね」と同意しながら、「僕は(お酒は)この1杯だけって言っていたのに、そこから3杯も4杯も飲んじゃって(笑)。明くる日、すごいでかい後悔とともに目覚めて、重い体を引きずってスタジオに向かうっていう小さい反省はしょっちゅうあります。まあそんなものにこの能力を使うなっていう話で、ここぞっていうときに使いたいなって思うけど、なかなか思い浮かばないですね。日常的なことになっちゃうと思います」と回答した。

そして豊永が「トキくんが写真の中に“ダイブ”した先にいるのは、皆さんが『人ってこうだよね、人ってこういうことあるよね』って思い浮かべるような人たちで、自分にも当てはまるかもしれないというものが続々出てくると思います。涙腺にグッとくるエピソードも含まれていますので、ストーリーを楽しんでください」と呼びかけた。「時光代理人 -LINK CLICK-」の放送は明日1月9日にTOKYO MX、BS11にてスタートする。

TVアニメ「時光代理人 -LINK CLICK-」

放送情報

TOKYO-MX:2022年1月9日(日)より毎週日曜21:30~
BS11:2022年1月9日(日)より毎週日曜22:30~
CS ホームドラマチャンネル:2022年2月26日(土)より毎週土曜21:30~

配信情報

Amazon Prime Video(オリジナル版):2022年1月9日(日)より毎週日曜22:30~
ABEMA(放送版):2022年1月9日(日)より毎週日曜21:30~地上波同時
下記配信サイト(オリジナル版):2022年1月12日(水)より毎週水曜12:00~順次配信
dアニメストア、ABEMA、バンダイチャンネル、Hulu、U-NEXT、アニメ放題、FOD、GYAO!、ニコニコチャンネル、TELASA、J:COMオンデマンド、auスマートパスプレミアム、milplus、ひかりTV、ビデオマーケット、music.jp、DMM.com、TSUTAYA TV、HAPPY動画、GYAOストア、
ニコニコ生放送(オリジナル版):2022年1月12日(水)より毎週水曜23:30~

スタッフ

監督・脚本:李豪凌
キャラクターデザイン原案:INPLICK
キャラクターデザイン:LAN、黄思萌、熊丹
演出・総作画監督:LAN
美術監督:丹治匠、朝見知弥、朱立朴(ジュー・リープー)
撮影監督:山条裕香
音楽:天門、yuma yamaguchi、av4ln
アニメーション制作:瀾映画
日本版製作:株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ、株式会社アニプレックス

日本語吹替版キャスト

トキ:豊永利行
ヒカル:櫻井孝宏
リン:古賀葵

(c)bilibili/BeDream